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[受賞者インタビュー]第4回ハニー・オブ・ザ・イヤー最優秀賞・国産部門【天然蜜食べ隊】

美味しいはちみつコンテスト、2018年開催の「第4回ハニー・オブ・ザ・イヤー」国産部門の最優秀賞来場者特別賞のダブル受賞をしたのは市立札幌大通高等学校の【天然蜜食べ隊】でした。
市立札幌大通高等学校の島田正敏教諭に河村がインタビューを行いました。

※受賞者インタビューは順次掲載予定です
※「ハニー・オブ・ザ・イヤー」とは ⇒ こちら

※2025年のエントリー概要は、2025年2月以降に公表を予定しております。


河村:受賞を知った時のことを憶えていますか?

島田先生高校のプロジェクトとして発足した活動で、多くの方に支えられてはちみつの生産ができています。生徒や先生方と共有し賞をいただけた事に、驚きと共に自信に変わっていったことを思い出します。最優秀賞と共に来場者特別賞のダブル受賞も本当に嬉しいものでした。

   

札幌大通高校での養蜂作業

河村:受賞したはちみつは、蜜源植物など、どんなはちみつですか? ネーミングも斬新ですね。

島田先生:このはちみつはアカシア蜜の収穫が終わった後に採れる「ハシドイ」というライラックの近種で寒さに強い自生種、ジャパニーズツリーライラックといわれる植物が蜜源になっています。花の香りが非常に良くて、まさしく自然の香水といえるくらいです。
その他にもタイムやラベンダ―などのハーブ系のはちみつも入っていて、巣に残ったアカシアの蜜と絶妙に混ざりあい、最高においしい自然のブレンド蜜が出来上がるのです。

2015年に私が日本はちみつマイスター協会のアドバイザー資格を取得し、2016年から毎回銀座で開催されている「はちみつフェスタ」に生徒たちが参加し、はちみつを販売しています。北海道からの参加ということと、この特徴のある味に惹かれて毎回のように購入してくださる方もいらっしゃいます。
  

「はちみつフェスタ2024」にて、一番右が島田先生

島田先生:ネーミングである「天然蜜食べ隊」は授業で公募し決定した商品名です。加熱処理や混ぜ物をしていない、はちみつ本来の味を感じることができ、季節や花によって味や香りの違いを楽しめることを考慮にいれた、高校生らしさがある名称だと感じています。受賞したのは「初夏の百花蜜」で、他の夏には「夏の百花蜜」「晩夏の百花蜜」などもあり、ミツバチたちがその時期にしか咲かない花から採ってきた特徴のある味ごとで分けています。蜜源によっては単花蜜として販売しているものもあります。

河村:日本はちみつマイスター協会が主催する「はちみつフェスタ」に生徒さんたちと島田先生がご出店されて、毎回販売の経験をされています。今でこそ養蜂に取り組む学校は増えていますが、札幌大通高校は長きに渡り高校で養蜂をされています。島田先生から見て歴代の生徒さんたちに変化はありますか。
  

はちみつフェスタで、学生の皆さんが販売している様子

島田先生養蜂から採蜜、商品開発から販売と様々な経験ができるのがミツバチ飼育の素晴らしいところで、高校では13年目になるでしょうか。よく『部活ですか?』と聞かれ、『学校の取組みです』と答えていますが、ピンとこない方も多いようです。活動の名称を「大通高校ミツバチプロジェクト」と呼んでいて、全学的に取組んでいます。この活動に興味がある教員を中心に、できることを無理なく分担することを心がけています。

生徒の参加は、少しだけ養蜂をしてみよう、ちょっと販売実習に参加してみよう、授業の中だけで商品開発をしてみようなどの場合もありますし、興味関心を引き出す一つの素材と捉えてもらえれば良いと考えています。もちろん、より深く関りたい、勉強したいと考えている生徒がいれば協力は惜しみません。卒業後、養蜂家になった者もいれば、大学でミツバチ専門の教育を受けている者もいます。今年はJRAの事業でモンゴルに養蜂を学びに行った生徒もいます。生徒一人一人が、自身の成長のために努力している姿こそが価値があると考えています。
  

河村:今後の取り組みや抱負をお聞かせください。

島田先生:養蜂では、はちみつ以外にミツロウも収穫できます。部活動の中から、使い捨てしないラップとして「ミツロウラップ」の開発を行い、その技術を社会福祉法人に伝え、障がいのある方の収入や一部はユニセフなどに寄付されています。今後もこのようにすそ野の広い活動もできたら面白いと思います。補足ですがミツロウは工芸という授業内で溶かし出しを行っているのと、授業内で木専用のワックスを作り、木箱に塗るなどしています。

また、札幌大通高等学校は札幌市生涯学習センターと連携し、社会人と生徒が同室で学べる講座を校内でいくつも開催しています。その一つにミツバチ関連講座があり、受講者の中からミツバチプロジェクトにボランティアとして参加できる仕組みを作りました。生徒と共に養蜂や、はちみつの瓶詰め作業など様々なことを一緒に行い、活動の協力をしていただいています。生徒にとっては大人との交流、成人の方にとっては若い人との対話の場として好評です。ボランティアさんの力は、札幌大通高等学校のミツバチプロジェクトにおいては影の立役者ともいえる存在になっていますので、人の入れ変わりがあるためこの仕組みが継続してなくならないようにすることが必要だと考えています。これからも、多くの人に支えられて少しずつ大きくなってきたこのプロジェクトが長く続くことを願っています。
  

ボランティアの皆さんと瓶詰め作業

【市立札幌大通高等学校 メディア局】ミツバチプロジェクト
http://odori-cc.net/bee-project/

※「天然蜜食べ隊」は通信販売は行っていないそうです。
 札幌市内の一部店舗や、イベント等でお求めください